教育出版大手の「東京書籍」は、2022年度から高校の地歴・公民科で使用されている地図の教科書について、26年度以降は廃刊すると発表しました。
本書は、2020年度の教科書検定に合格したものの、2022年度に教育現場で使用が始まった後、地名などの誤りが多数発覚。約1200カ所の訂正を申請の上、再配布を余儀なくされていました。
問題となったのは高校の新学習指導要領に対応した「新高等地図」で、2022年度は約3万6000冊を発行していましまが、使用開始直後、高校の教員から誤りがあるとの指摘があり、同社が確認したところ、直近の情報に更新していなかったり、索引が用語の掲載場所を正しく反映していなかったりするなどの欠陥が約1200カ所見つかっていました。
また、南米の「ドレーク海峡」を「マゼラン海峡」、「西岸海洋性気候」を「西海岸性気候」と誤記するなど、文科省が検定の段階で指摘しておくべき誤りも約20カ所含まれていました。
同社は小中学校の地図の教科書も発行しており、高校の地図を廃刊とする理由について、「その分のリソースを小中学校の教科書の品質向上に振り向けるため」と説明しています。
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/img/cms/news/news_pdf_390_1.pdf